私がパニック障害という病気をコントロールできるようになった理由
私がパニック障害による最初の発作を起こしたのは20年ほど前。
最初の頃は、病名もつかなかったこともあり闇雲に症状に怯えて、もう死んでしまいたいと思えるくらいの苦しみを感じていた。
しかし、パニック障害をコントロールできるようになってからは死んでしまうのではないかと思うような症状は出ていない。
そして、旅行や、乗り物に乗ること、レジに並ぶことなど、最初は無理だと思っていたこともクリアできるようになった。
私がパニック障害をコントロールできるようになったのは偶然正しい対処法を選んでいたからだ。
医師の森下先生の『薬なし、自分で治すパニック障害』という本には、私が選んだ対処法ととても似ている部分があり、その方法がわかりやすく説明されている。 【謝恩価格本】薬なし、自分で治すパニック障害 [ 森下克也 ]
この本の内容を交えながら、私が行ってきたコントロール方法をお伝えしたいと思う。
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パニック障害は長期間(3ヶ月以上)続くストレスが続くと起こりやすいと言われている。ストレスが続くと自律神経に負担がかかり、上手く働かなくてなってしまうからだ。
そうなると、自律神経ストームという状態になる。
自律神経ストームとは
自律神経の突発的な過活動
引用:薬なし、自分で治すパニック障害
のことだ。
ストームが嵐、暴風、雨嵐、強襲などを意味することから自律神経がぐちゃぐちゃに乱れるといった感じなのだろう。
本来リラックスしたいときに、戦う神経である交感神経がガンガン活動して激しい動悸がしたり、めまいがしたりするのは自律神経ストームが起きているからだ。
自律神経ストームが動悸や息苦しさ、めまいを引き起こす。この症状は本当に死んでしまうのではないかと思えるほどの苦しさと恐怖を感じさせる。
どうしてこんな症状が起きているのか仕組みを知らない人にとっては、これから何が起こるのかわからない、目に見えない大きな不安になる。
このような不安感をもってしまうことを『薬なし、自分で治すパニック障害』の著者、森下先生は身体症状のブラックボックス化と呼んでいる。
この本によると
自律神経ストーム→身体症状のブラックボックス化→不安の増大→予期不安・広場恐怖
引用:薬なし、自分で治すパニック障害
といった具合にパニック障害の症状が悪化していくという。
理由も分からず、いつどんな症状がでるのかもわからない。しかもその症状は救急車を呼ばなければならないと感じさせるほどの強烈なものだ。そうなると見えない不安がどんどん大きくなりパニック障害が悪化していく。
私も対処法がみつかるまではとてつもなく苦しい日々が続き、今思うと鬱の一歩手前だったのではないかと思う。
森下先生は本の中でパニック障害をコントロールするには、ブラックボックスを開くことが大切だと言っている。
要はパニック障害の症状がどうして起きるのか、症状が起きた結果何が起きるのかを知るということだ。それを理解することでパニック障害をだいぶコントロールできるようになるという。
私がパニック障害を発症してからやったことは、とにかく身体に異常がないか気が済むまで検査したことだ。
当時、パニック障害という疾患自体がメジャーではなかったので、なかなか病名もつかなかった。
だから、出ている症状に対してさまざまな検査を受けた。
血液検査、ホルター心電図(24時間心電図)、肺レントゲン、肺機能検査、頭部CT、脳波、めまいの検査、胃レントゲン...思い出せるだけでもこのくらいの検査を受けた。
結果、全て正常。
検査を受けたことで、自分は健康なんだ。死ぬことはなさそうだ。と少し自信を持つことができた。
その後、パニック障害と確定診断され、この死にそうなくらい苦しい症状はパニック障害という病気が悪さをしているだけなのだ!としっかり理解した。
私は知らず知らずのうちに運良くブラックボックスを開けるという作業をしていたのだと思う。
検査を受けて健康を証明し、専門医に体調不良の原因について説明を受けることで心の底から原因を理解することができた。
私をパニック障害と診断してくれた医師は、診察のたびにパニック障害のメカニズムについてしつこいくらい説明してくれた。そして、死なない!大丈夫!うまくつきあっていこう!と励ましてくれた。
それからは必要に応じて薬を利用しつつ、行動範囲をどんどん広げていけるようになっていった。死の恐怖を感じるような発作を起こすこともなくなっていった。
私はパニック障害について理解し、自分は死なないと心の底から思えるようになってからいろいろな事にチャレンジすることができるようになった。
このブログにも綴っているように、ごく普通の生活ができるようになった。最初は発作のたびに泣いて、近くのスーパーにさえ行けなくなってしまった私が、今では一人前に子育てをし、遠方まで旅行したり、飛行機に乗ったりしているのだ!
パニック障害を理解することが一番だけど、自分のルーティンを作るのもとても良かったと思う。
過去の記事でも紹介したが、呼吸が苦しくなりそうになったらタオルを口に当てて呼吸をする、だめそうなら抗不安薬を飲むというのもパニック発作が起きそうな時の私のルーティンだ。だから、バッグの中にタオルやハンカチ、抗不安薬を必ず入れておく。
こうすれば何か起きても大丈夫!という安心材料があれば症状が出にくくなる。
ほとんど服用することはないけれど、スマホのケースの中に抗不安薬は必ず入れている。何か起きたら最悪薬を飲めばいいやと思っている。これも私のルーティンの一つ。
余談になるが、ホンマでっか!?TVでお馴染みの心理学者植木先生も30年もの間パニック障害を患っていたという。症状が出たら『横になる』ということが植木先生のルーティン。電車や飛行機に乗る時になんと遠足用のシートを持ち歩いているそうだ。
発作が起きたらどうしよう?とどうしてもマイナス思考になってしまいがちだが、どうしよう?よりもこうしよう!!と思える手段を考えていくことが大切だと思う。
私の体験談が今苦しんでいる人に少しでもお役に立てばうれしい。
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